数値解析と制御のためのScilab入門

数値解析と制御のためのScilab入門では、行列、微分方程式、制御などの基礎的な計算を紹介しています。また、計算結果をScilabを用いたグラフィック表示による可視化について紹介しています。

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連立一次方程式を解いてみる|scilab入門

      2015/04/26

連立方程式

逆行列 inv と (¥)を用いて、簡単なの連立一次方程式を解いてみました。

次のような連立一次方程式

連立方程式を解く

を行列を用いて表示することにします。

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A, x, b を次のように

連立方程式を解く

定めると、連立方程式は

Ax = b

と表されます。行列 xは

x=A(-1)b

として求めることができます。これを、scilabで計算する場合には、

x=A\b

のように表します。ただし、Windowsの場合には「バックスラッシュ」が「¥ 」で表示されます。
x=A\b は、x=inv(A)*b と同じです。

この行列は A,x,bで表すと次のようになります。

連立方程式を解く

1. A=[ 1 -2 2; 2 -4 5; 1 -3 -1];
2. b=[2 1 7]’;
3. x=A\b

–>  A=[ 1 -2 2; 2 -4 5; 1 -3 -1];
–> b=[2 1 7]’;
–> x=A\b
x =
16.
4.
– 3.

(2)x=A\bとy=inv(A)*bの比較

1. A=[ 1 3 2; 2 5 8; 3 9 7];
2. b=[5 12 12]’;
3. x=A\b
4. y=inv(A)*b

–>A=[ 1 3 2; 2 5 8; 3 9 7];
–> b=[5 12 12]’;
–> x=A\b
x =
53.
– 14.
– 3.
–>y=inv(A)*b
y =
53.
– 14.
– 3.

同じ結果が得られます。
実際に計算して画面は、図のようになります。

連立方程式の計算結果

大きなサイズの連立方程式を解く場合には、工夫が必要です。

scilabの良いところは、数式レベルで記述できることです。物事を考える場合イメージしやすいし、簡単な計算で結果を把握できます。


 - 数値計算, 行列計算 ,

        

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