数値解析と制御のためのScilab入門

数値解析と制御のためのScilab入門では、行列、微分方程式、制御などの基礎的な計算を紹介しています。また、計算結果をScilabを用いたグラフィック表示による可視化について紹介しています。

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多項式を用いた線形システムの定義 syslin

   

多項式による伝達関数や線形すステムの定義は、syslinを用いて定義できます。

多項式を用いた線形システムの定義


伝達関数を有理式で表現した線形システムの定義をsyslinで定義できます。
伝達関数がHの線形システムは
   sl=syslin(‘dom’,H)
で定義されます。



ここで、dom はシステムの時間領域を指定で,連続時間システムの場合dom=’c’, 離散時間システムの場合 dom=’d’ です。
Cはcontinuous timeで、 d はdiscrete timeを意味しています。


次の伝達関数の連続時間システムで表すことにします。
H=(1+3*s)/(2+3*s+s^2)
を線形システム定義をする。

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【プログラム】

1. s=poly(0,’s’)
2. H=(1+3*s)/(2+3*s+s^2);
3. S1=syslin(‘c’,H)

【計算結果】
–>s=poly(0,’s’)
s =
s

–>H=(1+3*s)/(2+3*s+s^2);

–>S1=syslin(‘c’,H)
S1 =
1 + 3s
———-
    2
2 + 3s + s


【プログラム説明】
1行目のpolyで多項式を定義します。
2行目で多項式を定義します。
3行目で多項式を線形システムとして定義します。

S1は伝達関数Hの連続時間線形システムです。


多項式を次のように記述して直接記述することができます。

syslin(’文字’,分子多項式、分母多項式)のように記述すると定義できます。

1.s=poly(0,’s’)
2.H=(1+3*s)/(2+3*s+s^2);
3.S1=syslin (‘c’,1+3*s,2+3*s+s^2)

同様の結果があられます。

2.多項式の分母・分子を取り出す

多項式の分母を取り出す場合にはdenom(r)とし、多項式行列を取り出す場合には
denom(den)とします。ここでrは連続時間線形システムS1とします。
分子多項式を取り出す場合にはnumer(R)とします。


【プログラム】

1. s=poly(0,’s’)
2. H=(1+3*s)/(2+3*s+s^2);
3. S1=syslin(‘c’,H)
4. den=denom(S1) // 分母
5. den=denom(H)
6. e=numer(S1) // 分子


4行目は分母を取り出します。
5行目のようにしても同様に分母を取り出すことができます。
6行目は分子を取り出しています。

【計算結果】
–>s=poly(0,’s’)
s =

s

–>H=(1+3*s)/(2+3*s+s^2);

–>S1=syslin(‘c’,H)
S1 =

1 + 3s
———-
         2
2 + 3s + s

–>den=denom(S1) // 分母
den =

        2
2 + 3s + s

–>den=denom(H)
den =

        2
2 + 3s + s

–>e=numer(S1) // 分子
e =

1 + 3s

となります。
このようにすると分母や分子を取り出すことができます。


 - 制御, 多項式, 数値計算, 線形システムの定義

        

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